加湿器に関する主観的考察と葛藤
加湿器を買おうと思った。
だから電気屋さんに行った。
そしたら、たくさん種類があった。
どれを買っていいか迷った。
だから買うのをやめて帰ってきた。
失礼。まるで小学生の作文だね。以前、プリンタを新しくしようと思ったときも、似たようなことやってたよなあ。進歩がないな、ぼくは。
ともかく。加湿器がほしいと思ったのだ。なぜって、そりゃ冬だからですよ。乾燥するからですよ。じつは、スチーム式の加湿器を持っていたのだが、ちゃんと手入れをしなかったせいか、二年ぐらい前に壊れちゃった。それから加湿器なしの冬を二度送った。
が!
ぼくは、ふと思った。そういえば最近、冬になると必ず風邪を引くなあって。加湿器がないから、部屋が乾燥しているせいなんじゃないかしら? うん、そうだよ! そうにちがいない。だから、今年は加湿器を買うのだ!
という機運が、勝手に盛り上がっていたのですよ。
いや、まあ、加湿器があろうがなかろうが、部屋が乾燥していようがいまいが、風邪を引くときは引く。今年はほら、夏にヘルパンギーナなんて、夏風邪を引いちゃってるし。
とはいえ、湿度に弱いウイルスが多いのも事実だ。インフルエンザなんか、夏に流行することはほとんどない。ちなみに、夏風邪についてのエッセイでも書いたけど、インフルエンザの予防でも、手洗いが大事だ。ロイター通信社が、先月(2007年11月)に配信したニュースによると、国際的な科学者チームが、51の研究結果を精査した結果、手洗いとマスクを使用する方が、ワクチンの投与より、よっぽど予防効果があることがわかったそうだ。
おっと、少し話が逸れた。ともかくだ。手洗いとうがいをキチンとやるのは当然として、それ以外に風邪の予防で、自分にできることと言えば、部屋を快適な温度と湿度に保つことだと思う。
というわけで、話は最初に戻って、加湿器を買おうと思った。
偉そうに、インフルエンザがどうのこうのと言ってるわりには、加湿器について下調べもせずに、量販店に出かけていって、その種類の多さに驚いたわけなんだけど、いや、マジで日本はすごいと思うよ。電気製品好きにはたまらないね。たかが加湿器のくせに、ホントにたくさん種類があるんだよ。
そこで、いったん量販店から退却して、調べてみることにした。現在、家庭用の加湿器には、大きく分けて、三つの方式がある。
スチームファン式 |
読んで字のごとし、スチームを発生させる方式だ。具体的には、電熱器で水を沸騰させて、その蒸気を放出する。 この方式の利点は、水を沸騰させているので、放出されるのは蒸留水であり、とても衛生的だということだ。欠点は、消費電力が多いことと、かなり熱い蒸気が出るので、子供が火傷をする危険があるってことだな。 |
超音波式 |
超音波の振動を利用して、水を細かい粒子にして放出する。蒸気ではないので火傷をする心配はない。消費電力も少ないし、装置も小型化できる。いいことずくめ。 と思いきや、この方式は、水に含まれるすべてのモノを、部屋に放出してしまうという欠点がある。水の中のミネラルが放出されても、それほど大きな問題ではないが(白い粉が吹くぐらい)、貯水タンクに発生した雑菌も、そのまま放出してしまうのは問題だ。事実、2007年10月には、新潟市で、超音波式の加湿器を使っていた男性が、レジオネラ症で死亡した。 というわけで、現在、超音波式の加湿器は、ほとんど存在しない。 |
気化式(およびハイブリッド式) |
スポンジ上のフィルターに水を含ませて、そこにファンで風を当てて、水の自然な気化を利用した加湿器だ。部屋の中に洗濯物を干してるようなもんだね。要するに、スポンジと扇風機の組み合わせなわけで、消費電力は少ない。 欠点は、加湿の能力が低いってところだ。能力を高めるには、装置を大型にするしかない。装置が大型になってもいい商用ビルなどには向いている。 気化式の欠点はまだある。それは出てくる風が冷たいってことだ。水が水蒸気になるためにはエネルギーが必要なので、部屋の熱エネルギーを奪ってしまうんだ。だから冷たい風が出てくる。さらに、気化式もタンクに水を溜めて、それを常温で使うので、レジオネラ菌などの菌が繁殖する場合がある。 気化式の中で、スポンジに送る風を、ヒーターで暖めたモノを「ハイブリッド式」と呼ぶ。ヒーターを使うので、気化式のメリットである低消費電力性は損なわれるが、加湿の立ち上がりが多少早くなり、出てくる風の温度も気化式より冷たくない。 |
とまあ、こんなところかな。
しかしだ、諸君。よく聞いてくれたまえ。この程度の知識は、ぼくにだって最初からあった。以前はスチーム式の加湿器を持っていたのだから、使い勝手についても、まったくの無知というわけじゃない。たとえば、連続運転しかできない単純な機種は、部屋の中が結露しやすいということも知っていた。
そこで、量販店に行く前に、自分なりに「基準」を決めていた。
1)今回は消費電力の少ない気化式(あるいはハイブリッド式)がほしい。
2)湿度コントロールがついた機種がほしい
3)必須ではないが、タイマーがついている方が望ましい
4)上の条件を満たすモノの中で、デザインがカッコいいのがほしい
5)さらにその中で、一番安いのがいい
以上。ぼくの感覚が一般的かどうかは疑問のあるところだが、加湿器の評価基準としては、それほど的外れでもなかろう。
では、いざお店へ!
行って驚いたんですよ、奥さん! だってあなた、電解水除菌システム・ウイルスウォッシャーだとか、メガアクティブイオンだとか、Picode(ピコデ)除菌だとか、科学技術について詳しいはずのぼくにも理解不能な言葉が、ところせましと並んでいるではありませんか!
くううっ。まったく、最近の加湿器ってヤツは、高機能におなりになられて、ビデオの録画予約のできないお袋の気持ちが、ほんのちょっぴり理解できた気がした。
そこで、話はまた最初に戻って、調べてみたのだ。最近の加湿器事情というやつを。お、だれかのセリフにこんなのあったな。「見せてもらおうか。最新の加湿器の機能とやらを」なんてね。
まあ、要するにあれですな、除菌なんですな。日本人は清潔好きですからな。金は好きでも菌は嫌いなんですな。ぼくも菌は嫌いなので、除菌は大好きです。ああ、なにを書いてるんだか、自分でも何が何だか……
はい。各メーカーの、各除菌システムを調べてみましたが、いまいち、理屈がわかりません。しかし、彼らが言う除菌には、二つの意味があることがわかった。ひとつは、加湿器本体の中の、貯水タンクを除菌するシステム。もう一つは、空気中の菌やウイルスの働きを抑制させる物質を、加湿しながら放出するシステム。この二つがあるらしい。
貯水タンクの除菌は、まあ、わかりやすい。水を溜めておけば、そこに雑菌が繁殖するのは避けられないので、なんらかの方法で除菌しましょうということだ。各社各様のやり方があるわけなんだけど、基本的には、水を含ませるフィルター(スポンジ)に、抗菌処理をしているようだ。どのメーカーも具体的な説明はしていないけど、おそらく銀イオンなどの、殺菌作用がある物質を使っているのだろう。
で……
わからんのは、空気中の菌やウイルスを抑制するシステムだよ。
サンヨーの加湿器は、電解水を空気中に放出し、その電解水がウイルスを包み込んで不活性化するんだとか。ナショナルの場合は、なんのイオンだか知らないが、彼らがメガアクティブイオンと称するなぞの粒子を放出して、やはり、ウイルスなどを包み込んで、不活性化させるらしい。東芝の場合は、水に高電圧をかけて、やっぱりイオンを発生させ、彼らが呼ぶところの、ピコサイズイオンが、ニオイを脱臭したり、浮遊菌の活動を抑制したりするらしい。あるいは、プラズマで除菌なんてメーカーもあった。
うーむ。ホントかね? 各社とも、大学や民間の調査機関に依頼して、自社の製品に、空気中の菌やウイルスの抑制作用があることを、証明したとしている。
よろしい。賞味期限や、原材料の偽装が騒がれる昨今、サンヨーや松下電器、あるいは東芝といった一流メーカーが、嘘はつくまいと信じよう。たとえ、彼らの主張が眉唾でも、部屋の湿度が高まれば、それだけで、ウイルスの抑制効果は期待できるしね。
では、以上の調査結果をふまえて、ふたたび、お店へゴー、ゴー!
いや、その前に……
じつは、本格的な加湿器調査を始めてみると、いままで気にもしていなかったというか、その存在を知らなかった機種が、とっても気になりだしたのだ。
それは、無印良品のハイブリッド式加湿器だ。無印良品は、1980年に西友のプライベートブランドとして、この世に生まれた。1989年には西友から独立して、株式会社良品計画になり、いまでは家まで作っている。そんな彼らのコンセプトは、デザインをしないデザインだと思う。要するに、シンプルだってこと。
で、無印良品が作った加湿器が、これだ。
無印良品のネットショップを見ると、価格は13,899円。お店でも、こんなような値段で売られている。ぼくの調査した範囲では、ほぼ同じ機能(湿度コントロールなど)を備え、ほぼ同じ加湿能力(1時間に約500ml)を持ったハイブリッド式加湿器の中では、2〜3千円ほど安いと思う。その上、シンプルで飽きのこないデザイン。
こ、これは、まさにぼくが、加湿器に求めた基準ではないか! じっさい、無印良品のお店まで行って、実物を見てきたが、写真を見て思っていたより、ずっと巨大だったことを除けば、デザインセンスの良さに、写真で見る以上に感心した。
だから、その場で買ってしまおうかと思った。ところが、レジが長蛇の列だったのだ。12月は、みんな買い物したくなるのかな……なんて、ぼくはのんきに思ったのだが、一緒にいたぼくの彼女は、その列を見て「みんなボーナスが出たんだ〜」と、大変リアリティのある発言をなさった。ボーナスに縁のない自由業者にはできない発想だ。ついでに言うと、ぼくはたまたまタバコを吸っていないのであって、禁煙はしていないのであった。
失礼。いつものことで、話が逸れた。
ともかく、その日、無印良品の加湿器は買わなかった。レジに並ぶのはイヤだったし、だいたい、デートの途中で、重くて巨大な箱を持って歩きたくはなかった。
だから、デートから帰って、家でネットショッピングするという手もあった。でも、翌日は月曜日で、かつ仕事が午前中で終わりそうだったから、午後から買いに行けばいいかなと思ったりもしたのだが……
どうしても、頭から離れない、漢字二文字があったのだ。それは……
除菌!
ああ、そうなんだよ。除菌なんだ。除菌なんですよ、奥さん。無印良品の加湿器には、どこにも除菌の二文字がないのだ。
無印良品は、いわゆる企画会社で、工場は持っていないと思われる。つまり、彼らの加湿器は、どこぞのメーカーが作っているわけで、調べてみたらサンヨー製だった。サンヨーは、電解水除菌システム・ウイルスウォッシャーというのを持っているから、それを搭載してくれれば言うことなしなんだけど、そうすると値段が上がるんですか? それとも、電解水除菌システム・ウイルスウォッシャーなんて、本当は効果がないので、無印良品の担当者が、必要ないと判断したんですか?
いや、たぶん、電解水除菌システム・ウイルスウォッシャーは、サンヨーの自社ブランド用技術で、他社へのOEM製品には搭載しないという、企業戦略があるのだろうと思う。
はあ……なんにしても、すっかりメーカーの思惑どおり、除菌したい気分になっているぼくは、除菌できない加湿器は、購入候補から外したい気分。というか、ぜひ除菌したいのだ。やっぱり時代は除菌だよ。
いや、冗談抜きで、気化式(ハイブリッド式)も、メンテナンスをちゃんとしないと、貯水タンクに、レジオネラ菌などが繁殖するはずだ。構造上、超音波式ほど深刻ではないせいか、メーカーのサイトには書いてないけど、菌が空気中に飛散しないのは、スチーム式だけのはずだ。だからこそ、気化式(ハイブリッド式)では、除菌機能がついた機種がほしいではないか。
では、無印のことは忘れて、候補を絞りましょう。
まずは、ナショナルのハイブリッド式、FE-KLC05
続いて、サンヨーの気化式、CFK-VW500A
最後は、東芝のハイブリッド式、KA-G60DX
以上の三つを候補に選んで、こんどこそ、お店へゴー、ゴー!
結論から書こう。ナショナルのハイブリッド式が一番安かったので、それ買ってきました。サンヨーの方がカッコ良かったけどね。でも、ハイブリッド式がいいかなって思っちゃったのだ。ハイブリッド式は、省エネモードにすればヒーターを切れるので、気化式と同じになる。つまり省電力。サンヨーのは、もともと気化式なので、どう背伸びをしても、ハイブリッドにはなれない……べつにならなくてもいいんだけど、なんとなくさ、大は小を兼ねるっていうか、どっちにでもなる方が、お得な感じがしない?
それと、フィルターの寿命が、サンヨーより、ナショナルの方が長かった。サンヨーは2シーズン。ナショナルは4シーズン使えるそうだ。これが決め手かな。東芝も4シーズン使えて、かつデザインも悪くないと思ったけど、値段が高かった。
まあ、フィルターが4シーズン使えるといっても、どうせ手入れとかさぼって、4シーズン使わないうちに、フィルターを買い換えることになりそうな気もするけど……いいんだ、未来のことは、未来の自分に心配させれば(←夏休みの宿題を、夏休み最後の日に、泣きながらやるタイプ)。
ご参考までに書いておくと、ぼくは16,700円(税込)で購入した。ヨドバシのネットショップでは、19,800 (税込)の13%還元なので、17,226円だ。ヨドバシより、525円安く買えたわけだ。そう思うと、ちょっと得した気分(笑)。
さあ、お待たせ!
いままでは、長い長い前フリだよ。これからが本番。いよいよ買ってきた加湿器を使うのだ。ハイブリッド式の、除菌できるヤツだぜ。うはーっ。すごいじゃん。
では、箱を開ける。本体を取り出す。本体に取っ手がついているので、持ち上げるのも簡単。部屋から部屋に移動させるのに便利だね。なにやら、テープがべたべたついてるから、みんな外す。すぐに使いたい衝動に駆られるけど、そこはぐっと我慢して、説明書を取り出し、使用前の準備を読んでみる……
おお、すばらしい!
加湿器には、OSのインストールも、インクヘッドの取り付け作業も、モニターキャリブレーションも必要ないのだった。コンセントに電源コードをぷすっと差して、給水タンクに水を入れるだけだ。これなら、うちのお袋にもできるな。
では、タンクに水も入れたし、電源コードも差したし、スイッチオン!
ぶおーっ……と、空気の吹き出し口から風が出るだけです。加湿器というと、白い湯気が出てくると思われるかもしれないが、湯気が出るのはスチーム式だけなのだ。超音波式は湯気ではないけど、霧吹きと同じで、水の細かい粒子が白く見えるから視覚効果はバツグン。ところが、気化式(ハイブリッド式)は、そもそも、水が水蒸気になった状態で出てくるので、無色透明なのだ。見た目は、一番しょぼいのだ。
もしかして、もしかすると、ご存じない方がいるかもしれないので、念のために書いておくと、水が熱くなったときに、ふんわりと漂って見える白い湯気は、水蒸気ではない。あれは、水が非常に細かい粒になっているだけで、依然として「水」なのだよ。水蒸気は完全なガスなので、目には見えない。空気を構成する、酸素や窒素と同じだ。というか、水蒸気も含めて、われわれのまわりを取り巻く混合ガスを「空気」と呼んでいる。
という理屈を、十分すぎるほど理解している、この頭脳で観察しても、やっぱり、ただの風しか出てこない加湿器は、ドラマチックじゃないね。白い湯気が、もくもく出てこないと、なんか加湿されている気がしないじゃん。
ホントに湿った空気なのかと思って、送風口に手を当ててみると……
おや。意外と冷たい風だ。ハイブリッド式は、ヒーターで風を暖めているから、もうちょい、ぬるい風が出るのかと思ったが、けっこう冷たい。
壊れてるんじゃないか?
一瞬、疑って説明書を見たら、最大パワーで運転しても、258Wなんだそうだ。ふうむ。たしかに、この程度の出力では、熱い空気は送れないだろうな。ちなみに、家庭用のドライヤーでも、600〜1200Wぐらいあるからね。258Wでは、ヒーターで暖めた分より、水が気化するときに奪う熱の方が多いはずだから、出てくる風が冷たく感じても、故障ではない。
それより、肝心の除菌だよ、除菌。このエッセイを書いているいまも、ナショナルくんは貯水タンクの水を除菌しつつ、取り込んだ空気を、スーパーアレルバスター&カテキン&バイオ除菌フィルターできれいにして、さらに、空気の吹き出し口からはメガアクティブイオンを放出し、ぼくの部屋に浮遊している菌やウイルスを不活性化させているはずだ……
はずなんだが、その効果は、サッパリ、まったく、これっぽっちも、感じることはできない。ナショナルくんは、ただ冷たい空気を、ぶぉーっと、はき出しているだけだ。
待て。肝心といえば、これは加湿器なのだった。本当に肝心なのは、部屋の湿度が適度に保たれるか否かである。意外に思うかもしれないけど、それについては、運転をはじめて、2〜3時間もしたら、たしかに実感できた。
ナショナルくんには、10%単位で湿度を表示する簡易的な湿度計がついていて、運転をはじめたときは30%を示していた。それが2時間も運転していると、50%に上がっていた。ちなみに室温は24度だ。そういえば、室温もいつもより暖かく感じる。湿度が高いと、体感温度が上がると聞いていたけど、どうやら本当のようだ。湿度が50%以上あるなら、部屋の暖房に使っている温風ヒーターの設定温度を、もう1度下げてもよさそうだ。
うん。いい感じだよ。室温24度で、湿度が50%あると、たしかに、空気がしっとりしていると感じる。さらに1時間ほど運転していると、湿度は60%まで上がり、そこで安定した。ナショナルくんを「おまかせ」モードで運転しいるので、部屋の湿度は、50%から60%の間に自動的に調節されるのだ。
快適、快適。
これがほしかったんだよね。以前使っていたスチーム式には、湿度のコントロール機能がなかったので、寝ているときにつけっぱなしにしていると、朝、部屋の壁に結露してることが、何度もあった。こんど買う加湿器では、そういう事態が、二度と起こらないようにしたかったのだ。この加湿器を使って、まだ二日なのでハッキリとは言えないが、少なくとも、今朝、部屋の壁が結露していることはなかった。
続いて、動作音についてご報告しよう。気化式(ハイブリッド式)は、構造上、どうしても動作音が大きくなる傾向があるからね。ナショナルくんには、いくつかの運転モードがある。それぞれのモードで動作音がちがう。一番うるさいのは、「パワフル」モード。最大パワーで、連続運転するモードだ。こいつは、たしかにうるさい。部屋の隅にあっても、明らかに、動いているのがわかる。
そのほかのモードは、最初はフルパワーで動くのだけど、湿度が上がって自動運転に入ると、送風のパワーが落ちるので、音は気にならなくなる。エアコンがついていれば、それにかき消されて、加湿器の音はほとんど聞こえないレベルだ。
一番静かなのは「おやすみ」モード。これは、ファンを弱にして、かつヒーターも止めるので、静かなだけでなく、消費電力も低くなる。気化式として動かすわけだね。ナショナルのサイトによると、おやすみモードの消費電力は、わずか28W。1時間あたりの電気代は、0.55円だ。毎日8時間おやすみモードで運転すると、一ヶ月の電気代は、132円。ちなみに、毎日8時間、フルパワーで運転すると、一ヶ月の電気代は、1,346円になる。
もう一つ、ナショナルくんには、省電力モードというのがある。これは、ファンは強いままで、ヒーターだけ止めるモードだ。だから、動作音は静かにならない。その代わり、消費電力は、おやすみモード並。一ヶ月使っても、185円だそうだ。ただし、この省エネモードは使い方が難しい。というのは、湿度のコントロールができなくなるんだ。部屋の湿度を、いつも50〜60%に保ってくれるのは、ヒーターを使ったモードだけ。悩ましいけど、ヒーターを使っても、「パワフル」でなければ、いつもフルパワーで連続運転するわけじゃないから、それほど消費電力を気にする必要はないと思う。
以上、消費電力も少なく、音も静かなのは、「おやすみ」モードだ。ただね、消費電力はともかく、音の方は、本当におやすみモードかどうか、意見が分かれると思う。ベッドから離して置ければいいけど、ベッドの近くにしか置けない、あるいは、近くに置きたいという人には、ちょっと睡眠を邪魔する音量だと思う。ぼくも一晩、おやすみモードを使ってみたけど、ベッドの近くは勘弁してほしいと思ったね。
最後に、メンテナンスについて……書けば、わりとちゃんとした、製品レビューになるのかもしれないけど、まだフィルター掃除はやってないのだ。ちょっと分解してみたところ、そんなに大変そうでもないけど……どうなんだろうね。フィルターに、水アカがついても、簡単に掃除できるだろうか。それは、少なくとも1シーズンは使ってみないと、結論は出ないだろう。
というわけで、そろそろ、今回のエッセイを終わりたいと思う。いまこうして、エッセイを書いていても、空気がしっとりしていると感じられるから、加湿器を買ってよかったと思うよ。部屋の空気が乾燥していると感じている人がいたら、加湿器の購入をお勧めします。
ご購入のさいは、電解水でも、メガアクティブイオンでも、ピコサイズイオンでも、あるいはプラズマ除菌でも、お好きな除菌システムをお選びください。どれを選んでも、サッパリ、まったく、これっぽっちも、除菌を実感することはありませんから(笑)。
でも、湿度は上がるので、ご心配なく!
Copyright © TERU All Rights Reserved.