ブログについて
すでにご存じの通り、ブログで小説の連載なんぞをはじめてみました。ブログの更新者のことをブロガーなんて言いますな。そんなブロガーの方なら容易に想像がつくと思うけど、小説とブログって、相性が悪いです。いきなり否定的なこと書いてますな(苦笑)。
というのは、ブログって、そもそも発想が「メモ」に近いものじゃないですか。WebサイトのURLと、そのサイトの論評を書き込んだのが最初で、当時は「ウエブログ」と呼ばれていた。まさに「ログ」だったわけですな。それが短くなってブログと呼ばれるようになった。
そういう背景があるから、短い記事を頻繁にアップするのに適したツール作られ、それらがブログを発展させてきたわけですよね。で、ふと気がつけば、それって日記にすごくマッチしていて、いまやブログと言えば、個人の日記ってイメージが定着しているといっても過言じゃないわけですよ。
こう説明すると、いかにも小説と相性が悪そうでしょ。小説というのは、日記に比べて格段に文章量が多いわけだから、ブログに収まるようなサイズじゃない。
だったら、細切れにして、連載形式にすりゃいいじゃないか。とは、だれでも思い浮かぶ発想で、実際ぼくもそうしているんだけど、そこでふと考えるわけですよ。そんなのブログでやるべきことなのかって。
ブログにはコメントの機能がありますよね。あとトラックバック。これらのブログに重要な機能を使わずに、ブログで「なにかする」意味があるのかなと。
コメントは使ってもらえると思うんですよ。小説がおもしろければ。たとえば、予想に反した展開になってきたときとか、「そーきましたか!」なんて、その時々で、読んでくれているみなさんの声が聞ければ、書いてる方も楽しいかなって。そもそも、小説がおもしろくなかったら、みなさんの興味を引けないけど(苦笑)。
つぎにトラックバック。こいつの活用は難しいなと思ってたんだけど、ふと思ったんです。一人称の小説なら、もしかしたら活用の仕方があるんじゃないかって。
いまプレイデイは、美緒というヒロインの一人称で進んでますよね。でもほかのキャラの視点でも見たくないですか? と、ここまで書けばわかる人にはわかるよね。
そう。ブログ小説をいくつか作って、それぞれ主人公を変えて、それぞれの視点(一人称)を描き、それらが時間軸でつながってさえいれば、それぞれのブログの、対応するエントリをトラックバックでつなげることができるんじゃないか……と思ったんですけどね。これ、本気でやったら、小説の世界観どころか、世界そのものっていうくらい、複雑な絡み合いが作れると思うんですよ。
いや、思うのは簡単なんです。書くのが大変なだけで(笑)。
なんでそんなこと思ったかというと、ゲームのシナリオを書いてたせいですね。ゲームのシナリオって、選択肢を選ぶと、その先では「物語の方向性」が変わって、バッドエンドになっちゃったりするわけだけど、ぼくの書くゲームシナリオには、方向性じゃなくて「視点」が変わるというパターンもあるんです。
たとえば圭介の目線で見ていた物語が、選択の先では、べつの人物から見た側面を描いて、また本来の物語の中へ戻っていくというパターン。
だから、その選択肢を選んでも、ゲーム的には進展がなくて、ただの寄り道でしかないんだけど、召しませMoney!のように、登場人物が多く、しかも、それぞれに描きたい世界があるような場合には、この手の「視点替え」が、書いててもおもしろいんですよね。
そんな経験があったもんだから、ああそうか、ブログのトラックバックも、そういう活用方法があり得るなと思ったわけですよ。いや、こんな試みは、もうだれかが、なさっているかも知れないけど(考えてみれば、だれでも思いつくアイデアだし)、ぼく自身は、具体的な例を知りません。もし、ご存じの方がいらしたら教えてください。あ、でも日本語のサイト限定でお願いします。さすがに英語で小説を読む気力はないから(苦笑)。
というわけで、いままで小説とブログは、相性が悪いと思っていたのが、少し考え方が変わってきたので、今回、実験的にやってみようという気になったわけです。
もうちょいと正確に……と言うか、自己分析的に言うと、突然思いついたから、突然やってみようと思ったわけじゃなくて、いままで説明してきたような思考が、ずっと積み重なっていて、それらが脳からあふれ出たタイミングが「いま」だったという感じかな。
ああ、そうだ。あと考えられるアイデアは、読んでくれている読者から、物語の挿絵を募集することですな。写真でもイラストでも、なんでもいいんです。
たとえば、ご飯を食べに行ったら、注文した料理をケータイで撮影して、それを自分のブログにアップするなんて、ブロガーなら当たり前にやってますよね。その程度の写真でいいんです。プレイデイの記事の中で、自分が持ってる写真かイラストで、使えそうなイメージがあったら、送ってもらって、それをぼくが貼り付ける。
なんて、ことも考えてましたが、このアイデアは、現在保留中。なぜかというと、文章を読んで感じるイメージって、人それぞれだから、収拾がつかなくなるのが怖いし、ぼく自身、そこまで管理する時間もなさそうだから。
要するに、今回の「プレイデイ」は、本当に実験なんだってことを言いたいわけです。この先、さっき書いたトラックバックで視点を変える場面もあるだろうけど、書くのが大変だから、そんなに頻繁には変えられないでしょう。
そういう、物理的な制約(ぼくに許された時間的制約とも言える)も含めて実験です。もちろん、プレイデイという物語それ自体は、完結まで必ず書ききると約束しますけど、ブログだからこそと思って暖めていたアイデア(挿絵の募集とか)には、けっきょく手を付けられないかも。
って感じです。
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