Gift - illustration
ジョンブズ
ショートストーリー
「グルクス!」
 ジョンブスは部下を呼びつけた。
「はい! なんでしょうボス!」
 グルクスが飛んでくる。
「おお、グルクス。これを……」
 カパッという音。
「みにぇによ」
「ボス…… またお約束のギャグを……」
 入れ歯をはめるジョンブス。
「お約束じゃないわい! ううむ。マジで歯医者に行くかの」
「お願いします。で、ご用はなんですか?」
「そうじゃった。これを見てみよ」
「ほう。フォトですな。なかなか、キまってるじゃないですか」
「当たり前じゃ。わしを誰だと思っとる。ジョンブズ家、第258代当主。ステーブン・ジョンブズじゃぞ」
「しかし、この剣はなんですか?」
「こりゃ、わが家の家宝、エクスカリバーじゃ」
「それはアーサー王物語でしょ!」
「だって、本当なんじゃから仕方なかろう」
「いったい、いくつ家宝があるんだか…… まあいいです。しかし、こんなフォト、いつお撮りになられたので?」
「うむ。百二十年前じゃな」
「は?」
「いやあ、タンスを整理してたら出てきたんじゃ」
「あの…… ボスって、百二十年前から、ジイさんだったんですね」
「なぬ? きさま、なんという」
 カパッという音。
「しにゅれいな、こにょをいうんにゃ」
 例によって、このジイさんは意味不明なのであった。
| イラストの ケインとラニー | 小説のページ |
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