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 みんな、SIM(シム)カードって知ってる?

 いまどきSIMカードの入っていない携帯電話を使っている人はいないはずだから(※注)知ってるよね。電話会社(以後、キャリアと呼ぶ)によって呼び名が違うし、色やデザインも違うけど(ただし形状はまったく同じ)、いまの携帯電話は、SIMカードという、小さなICカードを入れないと機能しないようにできている。

※注)日本の第二世代(2G)携帯電話では、SIMカードは採用されませんでした。

 ちなみに、さっきからSIM、SIMと呼んでるけど、正式名称も書いとくね。『Subscriber Identity Module Card』というんだ。難しいね。『Subscriber Identity(サブスクライバー・アイデンティティ)』というのは、「受信契約者本人であることの証明」というような意味だろうね。それらのModule(要素)が、納められたカード。というのが、SIMカードの意味だ。

 そう。SIMカードは、だれが契約した携帯電話かを識別するために使われるものだ。

 具体的には、電話番号と固有の識別番号が記録されていて、電話番号は、いうまでもなく電話を使うのに絶対必要なもので、固有の識別番号は、主に契約者を特定するためのものだね。この二つの番号を結びつかせることで、キャリアは、「TERUさんが契約した090-0000-1111番の電話だ」とわかるわけ。で、その電話が使われたら、使われた分の料金を、TERUの口座からごっそり引き落としてやるぜ、ざまーみろ。という寸法になるわけですよ。

 なんで、そんなICカードで、電話機を機能させなきゃいけないんだろう?

 ちょっと昔の話なんだけど、もともとはヨーロッパで普及したんだ。あそこは、多くの国が国境を接してるよね。ということは、人は国境をまたいで移動することが多い。するってーと、A国で使えた携帯電話が、B国では使えないなんてことが起こって、すごく不便だった。

 そこでSIMカード。A国では、A国用のSIMを差して使っているけど、B国に行ったら、B国用のSIMに差し替えると……あ〜ら不思議。同じ携帯電話なのに、A国でもB国でも使えるわ。これは便利だわね。つまり、「携帯電話」と「SIMカード」は、本来、自由に組み合わせることを前提に作られた制度なんだ。

 もちろん、携帯電話が普及するにしたがって、キャリア同士も連携して「国際ローミング」という方法を編み出した。国際ローミングに対応しているキャリアと携帯電話なら、SIMカードを差し替えなくても、そのまま使える。ところが、ローミングが発生すると、料金がとんでもなく高くなっちゃうんだ! だから、いまでも国境をまたぐ機会の多い人は、SIMカードを取り替えて使っているみたいだよ。

 と、ながながSIMカードの歴史を語ってきたけど、歴史のお勉強がこのエッセイの主題ではない。どーもね、一度は過去をふり返ってみないと気が済まない性格なもんで、すいませんね、説明が長くて(苦笑)。

 さて、ここからが本題ですよー。

 つい最近、ドコモが来年の春以降に発売する携帯電話から、SIMロックを解除できるようにするって報道されたのを、みんなも知ってるよね。

 え? 知らない? こ、困るなあ。ニュース見てよ。

 じつは、ドコモの動きに先駆けること一週間ほど前(正確には2010年6月30日)に、総務省が何年も議論した末の結論として、「SIMロック解除に関するガイドライン」を公表したんだ。総務省はこのガイドラインで、法律で義務づけるのは見合わせるけど、なるべく早く、解除できる機種から、SIMロックを解除するようキャリアに求めている。

 どーいうことなんだろう?

 さっき説明した通り、SIMカードというのは、もともと、どの携帯電話と組み合わせてもいいようにという発想でこの世に登場した。そうすれば便利でしょってわけだ。

 ところが、携帯電話が高機能化するにつれ、携帯電話機(以後、端末と呼ぶ)の値段も、どんどん高くなっていったんだ。値段が高いと端末の売れ行きが悪くなり、ひいては契約者も増えない。それでは困るというので、キャリアは考えた。

 まず、ノキアやサムソンなどが販売している端末を、キャリアが一括して買い上げる。それをお客さんに転売するとき、販売奨励金という名の補填をつける。たとえば、ノキアが通常は5万円で売っている端末に、3万円の奨励金をつければ、その端末は見かけ上、2万円になるわけだ。

 ここで最初の疑問が浮かぶ。

 でも、それだとキャリアが赤字じゃん。そんなこと続けていたら、いくらお客さんが増えても、いつかは会社が潰れちゃう。すると、最終的に困るのはお客さんだよね。

 いや、大丈夫。キャリアは基本料金などに奨励金の分を上乗せして、お客さんから回収してるんだ。お客さんは、端末を安く買ってよろこんでるけど、なんのことはない、月賦で買ってだけ。

 すると、二つ目の疑問が浮かぶ。

 待ってよ。でも、その端末をお客さんがすぐに解約したらどうするの? お客さんの基本料金から、赤字分を回収できなくなるよ。

 これも大丈夫。契約のとき、たとえば2年間は解約しません。という約束をしてもらうんだ。それを破ったら、違約金をもらうことにする。

 それでも、三つ目の疑問が浮かぶ。

 でもね、そのお客さんが、端末を中古で売ったらどうする? もし人気の機種だったら、違約金を払っても、売った方が得だと思われちゃうかもよ。そうでなくても、悪い人たちが若い子を騙して端末を買わせて、それを売り逃げするかも。

 それも大丈夫……とは言い切れないけど、対策はある。端末にSIMロックをかけちゃうんだ。本来どのSIMカードと組み合わせてもいい仕組みにロックをかけて、A社なら、A社のSIMカードしか使えないようにする。すると、中古で端末を買った人も、A社と契約しないと、その端末は使えない。A社は、新しい契約者から、通信費をいただけるというわけ。

 これが世界的な傾向だ。日本の報道を見ていると、外国ではSIMロックフリーが当たり前みたいな錯覚に陥るけど、そんなことはない。SIMロックフリーが当たり前なのは、ぼくが知る限り香港ぐらいで、ほとんどの国では、SIMロックがかかっている端末が売られている。

 ただ、もちろん日本とは違う。

 外国では、ノキアやサムソンが、SIMロックフリーで売っている端末を、キャリアが買い上げて、それらにSIMロックをかけた上で安く売っている。つまり、売ってるのはあくまで、ノキアの携帯電話であり、サムソンの携帯電話だ。

 ところが、日本の場合は、ドコモやKDDIなどのキャリアが、独自のサービスを作るという戦略をとった。iモードとか、EZWebとか呼ばれるサービスだ。キャリアは、そのサービスを使うための専用端末をハードウエアメーカーに作らせて、それを自社製品として販売している。

 どういうことか?

 たとえば、ドコモに「SH001」という端末があったとしよう。これはおそらくシャープが作っている端末だろうし、シャープのホームページに行けば、たしかに宣伝も載っている。液晶のシャープは、画面がきれい。なんて具合に。

 でも、シャープの製品ではない。あくまでドコモの製品だ。だから、使い方がわからないときは、ドコモに電話して聞くし、壊れたらドコモが修理する。シャープの名前は、どこにも出てこない。

 要するに、日本の場合は、SIMロックという考えを、極限まで推し進めて、たとえばドコモなら、ドコモのSIMカードでしか動かないという以前に、ドコモのサービスしか使えない『専用品』としたんだよ。この、閉鎖的とも取れる販売戦略が、ほかの世界から遊離され、独自の生態系を持つガラパゴス諸島に似ていることから、日本の携帯電話は、ガラパゴス携帯、略してガラケーなんて呼ばれることになった。

 日本では、この戦略が大当たりした。iモードや、EZWebは、キャリアの管轄下にあるので、だれもが安全に利用できる。PCのように、ウイルスに感染する恐れもないし、なにかお買い物をしても、携帯電話の料金と一緒に払えるので、決済がとっても楽ちん。

 便利で楽ちんなのは、お客さんだけじゃない。キャリアにお許しをいただいて、iモードなどに出展している会社も大助かり。キャリアの信用で、お客さんからは優良だと思ってもらえるし、決済はキャリアがやってくださる。手数料は安くないけど、自前で決済システムを作るより、ずっと楽だし、第一安全だ。

 さらに、ハードウエアメーカーも楽ちんだった。世界では、激しい競争が渦巻いて、いるのに、キャリアから開発費の一部を負担してもらって、キャリアの専用品を作り、それをキャリアに納めればいいので、世界ほど激しい競争にさらされなかったんだ。

 いま世界では、激しい競争の末に、ノキアとサムソン、そしてLGやソニーエリクソン、モトローラーなど、端末メーカーは数社が残るだけになった。いま上げた5社で、世界シェアの8割ぐらいある。

 ところが日本はすごいよ。さすがに販売奨励金が減ってからは、三菱が完全に消えたけど、それでも市場には、シャープ、パナソニック、NEC(カシオと日立を含む)、富士通、東芝、ソニーエリクソン、京セラ(三洋を含む)などなどが、ひしめいている。

 驚くべきことに、ぶっちぎりで世界シェア・ナンバーワンのノキアですら、日本市場の専用品を作っても(作り込みが甘かったという批判はあるが)、採算が取れないと判断して、早々に撤退してしまった(一部、超高級品部門だけは残したけど)。世界二位のサムソンも、最近がんばっちゃいるけど、まだ影が薄い。LGもしかり。これもみんな、日本のメーカーがキャリアに守られてきたおかげだ。

 このように、ここ十年くらいは、みんなが幸せだった。キャリアはもちろん、お客さんも、コンテンツを提供する会社も(ぼくも、召しませMoney!を売ってます!)、そしてハードウエアのメーカーも。

 でもね……何年か前から、総務省のお役人たちは、こんな状況が、永遠に続くわけがないと心配をはじめた。

 本物のガラパゴス諸島と同じように、日本の携帯電話市場が、世界遺産に登録されて、保護区になればいいけど、そんなことは、SF小説でしかあり得ない。もし外国の端末メーカーが、本気で競争を仕掛けてきたら、危ういバランスで成り立っている日本の市場は、一気に外国勢に支配されるかも! そう、ガラパゴス諸島に、野良犬を放すように。

 だから総務省は、日本独自の商慣習を、徐々に改めたらどうですかと、キャリアや端末メーカーと話し合いを続けてきた。もちろん、キャリアもメーカーも、いまの商売がうまくいってるんだから(メーカーは苦しくなってきてるけど、キャリアには逆らえない)、役人がうるさいこというな。ってのが本音だ。だから、話し合いはぜんぜん進まない。

 でもね、意外なことにソフトバンクは、わりと前向きだった。当時の彼らはiPhoneをもっていなかったので、とにかく通信料金を安くすれば、お客さんを集められるかもしれないと考えていたようだ。それにしたって、SIMロック解除に全面賛成というわけじゃない。あくまで、自社に有利ならば話し合いに応じてもいいというスタンスだった。

 そこへ、昨今の金融危機だ。日本は、どの会社も収益の悪化に悩まされ、国民全体が景気の悪さにゲンナリしているとき、なんとドコモに代表されるキャリアは、収益が減ったとはいえ、依然として、かなり金儲けをしてやがる! 独自の商慣習に守られて、儲け続けるのはゆるせーん! と総務省のお役人さんたちが、思ったとかどうかは、わかんないけど、お役人さまとしては、ちょいと、示しがつかないなと思ったのは事実らしい。

 そこで、キャリアを集めて脅すことにした。「おい、てめえら。いったい何年議論すれば気が済むんだ。三年も四年も、ぐだぐだ結論を先延ばしにしやがって。もうそろそろ自主的にSIMロックを解除しねえと、法律作って義務づけちまうぞ」と。

 もちろんキャリアは大反発! 国が民間企業の商売に口を出すたあ、何ごとだ! と鼻息も荒いはず……なんだけど、驚くべきことに、数年前は、SIMロック解除に絶対反対だったドコモが、「ん〜とね、あたしらは、お客さんが望むなら、やってもいいかな」なんてことをいい出した。

 彼らの心境の変化は、たぶんiPhoneだ。ご存じAppleが販売しているスマートフォン。日本ではソフトバンクのSIMロックがかかっているので、ソフトバンクのSIMカードでしか使えない。(本国のアメリカではAT&TのSIMロックがかかっている)

 スマートフォンは、キャリアにとって頭の痛い問題だ。なにせキャリアの専用サービスに依存しない。彼らには、iモードもEZWebも、Yahoo!も関係ない。逆にいうと、外国ではキャリアの専用サービスが普及しなかったので、PCライクな、インターネット端末として、スマートフォンが受けたのだ。

 当然のごとく、日本独自のサービスが前提の日本市場で、スマートフォンは売れなかった。キャリアは、のれんにあぐらをかいていられたのだけど、そこへiPhoneが登場したのだ。専用サービスが使えない不便を、補ってあまりある魅力が、iPhoneにはあった。情報端末として優れているだけでなく、なにしろ、カッコいいのだ!

 それだけじゃない。日本の携帯電話の強みだった、決済の楽ちんさも、iPhoneには取り入れられていた。Appleのストアから、世界中で作られる優れたアプリケーションや、あらゆるジャンルの音楽、はては動画までダウンロードして買えるのだけど、お金はAppleにクレジットカードで払えばいいだけ。決済も楽ちん。

 最初は、アーリーアダプターと呼ばれる(人柱とも呼ばれたりする)、新しもの好きが飛びついて、世間でiPhoneをちらちら見かけるようになると、次第にiPhoneの便利さと、ブランドの魅力に気づいた女の子たちが買いはじめたから、さーあ大変。ご存じの通り、iPhoneは売れに売れて、ソフトバンクの孫さんは、大笑いなのだ。

 そんな状況を、指をくわえて見ていたドコモだから、総務省に「そろそろSIMロック解除しやがれ」と脅されて、「うん、やってもいいよ!」といいはじめた。

 ソフトバンクには悪いけど、ドコモの方がたしかに回線品質はいい。となれば、もしiPhoneのSIMロックが解除されたら、そんな事情を知ってる人たちは、どどどどどーと、ソフトバンクの回線を解約して、ドコモの回線でiPhoneを使うだろう。

 そうなっては困るので、もちろんソフトバンクは、SIMロック解除に大反対! 孫さんは隠すことなく「iPhoneはドコモと戦う武器だ」と公言してはばからない。

 静かなのはKDDIだ。この会社は、ドコモやソフトバンクとは、使っている通信技術が違うので、仮にSIMロックが解除されても、auの販売する携帯電話は、ドコモのSIMカードでは通話すらできない。各社と通信方式が揃うのは、早くても2年ぐらい先だから、KDDIは、ちょっと、取り残され感があるね(通信カードなどを差し引いて、通話端末だけで比較すれば、auもわりとがんばってるようには見えるけど)。

 さあ、そんなわけで、日本もSIMロック解除が、とうとう現実味を帯びてきた。ドコモが来春からはじめるSIMロック解除も、どんな方法なのかは、まだ決まっていないので楽観はできないけど、たぶん、この流れは止まらないだろう。

 制限がなくなるのはいいことだ。

 と、なんでも自由じゃなきゃ気がすまないPC畑の人間は思う。ぼくなんかも、わりとPCよりの考え方なので、ソフトバンク(あとauも苦しくなるだろう)には悪いけど、SIMロック解除には、基本的に賛成だ。

 けど、携帯電話業界では、やっぱりSIMロック解除に慎重な意見が多いみたいだね。通信方式の違いだけでなく、周波数帯も違うし、それになにより、iモードなどの専用サービスが、べつの会社のSIMカードでは使えなくなる。それじゃあ市場が混乱するだけで、百害あっても一利なし。けっきょく困るのはお客さんですぜ。と論評する報道が多いように見受けられる。ゲスの勘ぐりといわれそうだけど、キャリアやメーカーからお金をもらって記事を書いるライターほど、反対するだろうな。

 たしかにね、反対意見にも一理あると思うんだ。

 つい最近、ネットエイジアという調査会社が、SIMロック解除に関する意識調査を実施した(インターネット上で 15歳から59歳の男女に対して。有効回答数は1205人)。

 それによると、単純にSIMロック解除の是非を問うと、賛成は52.7%で半数を超えた。そのあと、SIMロック解除のメリットとデメリットを説明し、同じように是非を問うと、なんと賛成する人は、35.8%まで減少したそうだ。とくに女性の減少が大きく、賛成する人は、半分近くになったそうだよ。

ネットエイジアの調査結果ページはこちら

 このことからも、SIMロック解除で、なんらかのデメリットがあるなら、そんなことしなくていいという意見が出ても不思議じゃない。余計なことはするなと。

 でも、本当にそうなんだろうか?

 SIMロック解除で、得をするのはたしかに、ドコモだと思う。この点は、ぼくも腑に落ちない。でも、だからといってSIMロックがそのままでもいいとは思えないんだよね。

 だってさ、思いませんか? なぜ日本でiPhoneができなかったのかって。なんでiPadが日本で発明されないのかって。iPhoneは、OSの部分は、Appleががっちり守っているけど、その他の部分は解放されているから、iPhone用のアプリが、いっぱい作られる。(最近、Appleも閉じつつある気がして怖いけど)

 日本の携帯には、それがない。専用品として閉じられた世界だ。iアプリがあるじゃないかといわれたら、その通りだけど、それってオープンなんですか?(※注) 違いますよね。過去十年ほどの成功体験が、いま足かせになって、失敗体験になろうとしているんじゃないだろうか。

※注)iモードのオープン環境について、ご指摘とご教授をいただいたので、7月21日に「i してない?」というエッセイで捕捉をしています。合わせてお読みください。間違った所を、こそっと直しちゃえばいいんだけど、どーも、そういうことができない性格で、すいません。


 さあ、そこでSIMロックの解除だ。これは、ただ鍵を外すってだけじゃなくて、もっと大きな意味として捉えたい。ビジネスモデルの変化だけでなく、発想そのものの転換。クローズからオープンへ、日本ローカルから世界というグローバルへ。

 できるはずだ。

 キャリアの中では、iモードという専用サービスで成功してきたはずのドコモが、先陣を切ってSIMロック解除に踏み出そうとしている。iPhoneがなく、まずは自分たちの利になるというのが、大きな理由だろうけど、彼らはもっと先を見ているはずだ。どんなに頭のいい社員がいようとも、新しいサービスの発想で、インターネットという世界に勝てるわけがない。だったら、むしろネットを積極的に取り込むほうがいい。

 ハードウエアメーカーだって、キャリアの呪縛から解放されて、自由の身になることをよろこぶべきだよ。方式の違いや、周波数の違いなんて、やる気さえあれば、技術で必ず克服できるんだから、そんなこと言い訳がましくグダグタいってる暇があったら、その先の未来、iPhoneも真っ青になるような、スマートフォンを発明しする努力をしなきゃ。

 ソフトバンクにしたって同じだと思うんだよね。ドコモと戦う武器がiPhoneなんていってたらマズイでしょう。iPhoneに社運が左右される経営が、長く続くはずがない。だいたい、孫さんは毎年のように、「最高益の更新」を高らかに宣言して株主をよろこばせている(わりには配当が少ない?)のだから、回線品質をよくするための設備投資も、もっとできるはずじゃない?

 いやー、われながら偉そうなこと書いてるなぁ! ちょっと気恥ずかしい(苦笑)。孫さんが、もしこのエッセイを読んだら、てめえみたいなシロートになにがわかる、バカ、マヌケと怒鳴られそうだ(汗)。

 それでも、ぼくは信じてる。日本人の技術と発想の大胆さを。ぼくらは、やればできる子なんだよ。だから、SIMロック解除が、本当にわれわれのためか。もっと慎重に議論……なんて、後ろ向きな発想はやめて、もっともっと、未来への飛躍を信じてみるべきだと思う。

 というか、そうしないと、マジでヤバいぜ、日本の端末メーカー! って思うんですけど。



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